図書館の自由に関する宣言(としょかんのじゆうにかんするせんげん)

『図書館戦争』にも登場する「図書館の自由に関する宣言」。これは、全国の図書館にも実際に掲げられています。

「図書館の自由に関する宣言」は、1954年、5月26日~28日に開かれた全国図書館大会および日本図書館協会総会で採択されました。その後、1963年の『中小都市における公共図書館の運営』(略称「「中小レポート」)刊行を契機に、公共図書館は急速に発展、貸し出しを中心とする資料提供を核としての様々なサービスが開始します。そして、1979年、25年間の図書館界の経験を集約し、より実践に裏づけられたかたちで改訂が行われました。

現在の図書館に掲げられている宣言は、この「図書館の自由のに関する宣言 1979年改訂」というものです。以下のとおり、フィクションとしてアレンジされた『図書館戦争』の世界に登場する文言とは若干異なります。

「図書館の自由に関する宣言」
日本図書館協会 1954 採択 1979改訂

図書館は、基本的人権のひとつとして知る自由をもつ国民に、資料と施設を提供することをもっとも重要な任務とする。

この任務を果たすため、図書館は次のことを確認し実践する。

第1 図書館は資料収集の自由を有する

第2 図書館は資料提供の自由を有する

第3 図書館は利用者の秘密を守る

第4 図書館はすべての検閲に反対する

図書館の自由が侵されるとき、われわれは団結して、あくまで自由を守る。

詳しい内容は日本図書館協会のホームページにもあります。
》図書館の自由に関する宣言
》日本図書館協会

メディア良化法(めでぃありょうかほう)

年号が正化に変わる頃、公序良俗を乱し、人権を侵害する表現を取り締まる目的で制定された法律。この法律に基づき、司法省の下部組織として「メディア良化委員会」が発足された。

メディア良化委員会は、各都道府県に代執行機関となる良化特務機関を設置、あらゆるメディアの良化を目指し、公序良俗に反する書籍・映像作品・音楽作品などを任意で取り締まる権限を持った。その内容は、小売店に対しては入荷物の検閲、版元には流通差し止め命令、マスコミには放送禁止・訂正命令、インターネットではプロバイダーへの削除命令など多岐に渡る。

検閲基準に関しては、細則や施行令で随時補うことができ、その裁量権は執行機関に委ねられるという極めて恣意的なもので、抵抗する者には武力の行使も許可されている。

図書館の自由法(としょかんのじゆうほう)

メディア良化法の検閲に対抗するため、図書館法全三章に付け加える形で成立した"図書館法第四章"の通称。

<<図書館法第四章 図書館の自由>>
第三十条  図書館は資料収集の自由を有する。
第三十一条 図書館は資料提供の自由を有する。
第三十二条 図書館は利用者の秘密を守る。
第三十三条 図書館はすべての不当な検閲に反対する。
第三十四条 図書館の自由が侵される時、我々は団結して、あくまで自由を守る。

運用詳細は、メディア良化法と同じく施行令で随時補われる。

図書隊(としょたい)

図書隊のマーク

メディア良化委員会に唯一対抗できる根拠法を持つ図書館が、正化16年に発足させた防衛組織。広域地方行政機関としての性質を持ち、独自に人事・予算管理を行う。図書隊の職域は、図書館業務部に所属する図書館員、防衛部に所属する防衛員、蔵書の装備・戦闘装備の整備・物流一般を行う後方支援部に所属する後方支援員の3つに分けられる。

主に防衛員から精鋭を選抜して編成されるライブラリー・タスクフォース(図書特殊部隊)は、平時は基地に駐屯し、各図書館の要請に応じ出勤、通常図書館業務から大規模攻防戦まで幅広い任務をこなす。